化学防護手袋
Chemical protection Gloves
化学防護手袋とは、酸・アルカリ・有機薬品などの化学薬品の汚染から手を保護する手袋です。
対象とする有害な化学物資を考慮して作業に適した手袋、「JIS T 8116適合品」「JIS T 8116準拠品」を選択することが重要になります。
ご案内
Information
01産業規格 JIS T 8116
に関して
JIS T 8116とは化学物質の透過及び又は浸透の防止を目的として使用する手袋(化学防護手袋)について規定している規格です。
耐透過性
JIS T 8116(化学防護手袋)では、「透過」を「材料の表面に接触した化学物質が、吸収され、内部に分子レベルで拡散を起こし、裏面から離脱する現象」と定義しています。
試験化学物質に対する平均標準破過点検出時間を指標として、耐透過性をクラス1(平均標準破過点検出時間10分超え)からクラス6(平均標準破過点検出時間480分超え)の6つのクラスに区分しています。
耐透過性の分類の表の耐透過性の分類の数字が大きいほど、耐透過性が優れています。
耐透過性の分類
クラス | 平均標準破過点検出時間(分) |
---|---|
6 | >480 |
5 | >240 |
4 | >120 |
3 | >60 |
2 | >30 |
1 | >10 |
JISで推奨されている(JIS T 8030)
化学物質は以下の16物質です。
液体13物質
- a)アセトン(2-プロパノン)[67-64-1]
- b)アセトニトリル(シアノメタン) [75-05-8]
- c)二硫化炭素[75-15-0]
- d)ジクロロメタン(塩化メチレン) [75-09-2]
- e)ジエチルアミン[109-89-7]
- f)酢酸エチル[141-78-6]
- g)n-ヘキサン[110-54-3]
- h)メタノール(メチルアルコール、カルビノール)
[67-56-1] - i)水酸化ナトリウム(40質量%)、ρ=1.33kg/L
[1310-73-2] - j)硫酸(96質量%)、 ρ=1.83kg/L~1.84kg/L
[7664-93-9] - k)硫酸(18質量%)
- l)テトラヒドロフラン(THF,1,4-エポキシブタン)
[109-99-9] - m)トルエン(トルオール)[108-88-3]
気体3物質
- a)アンモニア、無水(99.99%) [7664-41-7]
- b)塩素(99.5%) [7782-50-5]
- c)塩化水素(99.0%) [7647-01-0]
02化学防護手袋・保護具
の選び方
化学物質の製造または取り扱い業務に従事される皆さまは、酸、アルカリ、有機薬品などの化学薬品を使用する場合、対象とする有害な化学物資を考慮して作業に適した手袋・保護具を選択することが重要です。
どのように手袋を選べばよいのか下記フロー図を参考に、適切な保護手袋をお選びください。
1取り扱う化学物質のSDSを確認する。
2手袋メーカー・保護具メーカーのホームページ等を参考に、取り扱う薬品に耐性のある劣化しにくい手袋・保護具を選ぶ(浸透防止)
取り扱う化学物質は下記の表(SDS第2項危険有害性の概要)に示す区分に該当しますか?
化学防護手袋着用義務の対象外です。②で選んだ手袋・保護具をそのままお使い下さい。
化学防護手袋・保護具着用義務(※努力義務を含みます)の対象です。
2で選んだ手袋・保護具は取り扱う化学物質に対して耐透過性を有する手袋・保護具ですか?
インナーに、耐透過性のある化学防護手袋・保護具を着用してください。
2で選んだ手袋・保護具をそのままお使いください。
SDS 第2項 危険有害性の概要
皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 義務 |
区分2~3 努力義務 |
---|---|---|
皮膚感作性 | 区分1 義務 |
ー |
※区分表示が「分類できない」となっているものは、努力対象義務となると考えられます。
※区分表示が「区分外」「区分に該当しない」となっていても、「健康障害を起こすおそれのないことが明らか」ではない場合は、努力義務の対象となると考えられます。
※上記内容は今後、厚生労働省から出される通達等により変更になる可能性があります。
項目 | 区分 | 着用 義務 |
---|---|---|
生殖細胞 変異原性 |
区分1+経皮吸収性あり | 義務 |
発がん性 | 区分1+経皮吸収性あり | 義務 |
生殖毒性 | 区分1+経皮吸収性あり | 義務 |
SDS 第8項 ばく露防止及び保護措置で、「皮」(日本産業衛生学会)または「Skin」(ACGIH)という表示があるもの
※上記内容は当社による解釈を含みます。今後、厚生労働省から出される通達等により変更になる可能性があります。
特化則 第44条に規定する化学物質
(義務)
アクリロニトリル、オルトートルイジン、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,1,2,2,テトラクロロエタン、スチレン、ベンゼン等
※これらは今回の法改正の有無およびSDS区分に関わらず、化学防護手袋着用が義務付けられています。
皮膚吸収性有害物質(296物質)
(義務)
ベンゼン、トルエン、キシレン、MEK、THF、NMP、n-ヘキサン、メタノール、灯油等
※今後対象物質が追加されていく可能性があります。
安全な作業環境を実現するために、
用途に対応した化学防護手袋を
選ぶことが重要になります。
メーカーホームページ
※各化学物質に対する耐透過性は下記メーカーホームページも併せてご確認ください。
製品別のご案内
化学防護に関して製品別にご案内致します。
手袋・防護服など、それぞれの必要性・選び方を知り、化学物質への万全な防護対策を取ることが重要になります。
化学防護製品に関する
お問い合わせ
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化学防護は業種や用途に対応した製品を選ぶことが重要になります。
ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
製品に関してのご案内を致します。